槍ヶ岳に登って来ましたー!(表銀座縦走&費用編)

2018年09月11日

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橋本です。

槍ヶ岳登頂からの表銀座縦走編です。
槍ヶ岳に登って来ましたー!(表銀座縦走&費用編)

今回は凹んだ内容になってしまいました!
また長〜いので、お時間があります時に読んでくださいね。

8月17日ヒュッテ大槍には10:30に到着しました。
この日は金曜日で、少し混んでいたようです。
予約していなかったのですが、なんとか入れてもらえました。

小屋のご主人から「まだ時間が早いですが、いいんですか?」と聞かれましたが、「今日はとても疲れましたので、泊まりたいです。」と答えました。
体感温度が0度くらいの中で、慣れない外岩のクライミングを3時間。待ち時間が相当寒かったので、ちょっと風邪をひいたのか、だるい感じで「あまり歩きたくないなー」と思っていました。
それに、これまでの小屋で宿泊者の方々に「ヒュッテ大槍は食事が美味しい」と聞いていましたので、泊まってみたかったのです!←こっちが大きいかも

お部屋の準備ができるまで、食堂兼談話室でゆったりと待ちます。
小屋限定のお土産品をチェックしたり、置いてある本のタイトルを確認したり、天気やいろんな情報を確認します。
ここで久しぶりにテレビを見ました!
高校野球を放送していました。

ヒュッテ大槍は小さめの山小屋で、手入れの行き届いている感じです。
トイレも乾燥室もこじんまりとしていてきれいです。
小屋のトイレの利用料は、宿泊料に含まれています。宿泊者以外の方は、やはり100円が必要です。

どこの小屋も、ザックは部屋の外。
必要な荷物だけを室内に持ち込みます。
廊下の通行の妨げにならないように、常に整理整頓してコンパクトに置きます。

槍ヶ岳に登って来ましたー!(表銀座縦走&費用編)
ここでは2段ベッドの上段を、女性用として使用させていただきました。
最大6人の所を3人で使います。
向かい合わせの上段は、男女混合のグループの4人で利用されていました。
槍ヶ岳に登って来ましたー!(表銀座縦走&費用編)
最大人数で利用した場合は、1人分の巾は40㎝くらいしかないようです。

まずは休めるように、着替えます。
衣類を乾燥室に干したら、翌日のために水を補充して、荷物を整頓。
それから昼食を食べに食堂へ!
味噌ラーメンのチャーシュー抜きを頼むと50円引きにしてくれました。
…ちょーしょっぱい。
でも残すと悪い。どうしよう?
コーラを買って、甘さでごまかして完食しました。
外を散策する元気はなかったので、本を読んだり、窓の外の穂高連峰を眺めたりして時間を過ごします。
槍ヶ岳に登って来ましたー!(表銀座縦走&費用編)
…稜線に小さい、動く影があります。
人です。1人のようです。
あんなに高い所を黙々と歩いている人がいるんだと、すごいなぁと思いました。
夕食の準備中は、部屋に戻って少し眠ることに。

待望の夕食の時間になりました!
人数が多めなので2回に分けての提供だそうです。
あ、また写真を撮る前にちょっと食べちゃった…。
槍ヶ岳に登って来ましたー!(表銀座縦走&費用編)
グラスワイン1杯サービスに加えて、おかわり自由のご飯、スープ、お茶とパスタも!
ルートや山小屋情報、住んでいる所の話に花が咲き、やはり小槍&大槍クライミングの話は皆さんから聞かれました。
登ってみたい人は多いようです!
食べたい気持ちはありましたが、食欲はあまりありません。
無理して食べましたが、少し残してしまいました。

23:45ごろ目が覚めたので外に出て見ました。
これからしばらくは晴天の予報で、この日の夜も雲は少なく星がよく見えました。
写真にはうまく撮れなかったのですけど…。

8月18日05:00朝食はお弁当に替えてもらって、いよいよ長い縦走への出発です!
槍ヶ岳に登って来ましたー!(表銀座縦走&費用編)

目の前に、朝日に輝く槍ヶ岳がありました。
1枚目の写真です!

東鎌尾根は下りが大変と聞いていましたので、一旦槍沢へ下って大曲へ行き、またもや水俣乗越へ登ることにしました。
槍ヶ岳に登って来ましたー!(表銀座縦走&費用編)
が、これがいろいろ良くなかったようです。
東鎌尾根だと2時間で水俣乗越に着けるけど、大曲へまわると4時間かかり、実際は登って来る人たちとの離合待ちやちょっとずつの渋滞で4時間30分かかりました。
槍ヶ岳に登って来ましたー!(表銀座縦走&費用編)
この日は晴天の土曜ということもあって、登山者が多かったようです。

09:30水俣乗越から、先日スマホのお兄さんが登って行った「大下り」を登っていきます。
槍ヶ岳に登って来ましたー!(表銀座縦走&費用編)
鎖場あり、ハシゴありの急登を登りつつ、なんだか重い足をなんとか上げて歩きます。
体も重く、ペースが上がらないどころか落ちていく感じがします。
槍ヶ岳に登って来ましたー!(表銀座縦走&費用編)
足場の良い所で振り返り、少しずつ遠くなっていく槍を眺めて頑張ります。

11:30予定より大幅に遅れてヒュッテ西岳に到着。
休憩をしてから、コースタイムが5分ならと西岳山頂へ寄る事にしました。
ヒュッテ西岳では、ザックのデポは断られるそうです。
ですので背負って行きます。
あれ?険しい。
槍ヶ岳に登って来ましたー!(表銀座縦走&費用編)
…15分くらいかかってしまいました。

下りでも15分くらいかかるほど足は動きません。
「寄らなきゃよかった!」正直そう思いました。
東鎌尾根を通らなかったのと渋滞で、すでに相当時間を使ったので疲れているのに、宿泊予定の大天井ヒュッテまでコースタイムで3時間ほどあります。

どんどんペースは落ちているのがわかりましたので、よほどヒュッテ西岳に泊まろうかと思いました。
しかしそれでは予定の行程を消化できません。
12:30天気はいいので、最悪17:00までに山小屋に着かない時は電話すればいい、と開き直りました!

槍ヶ岳に登って来ましたー!(表銀座縦走&費用編)
時々槍を振り返りつつ、表銀座とは言うものの、アップダウンの繰り返す険しい道を歩いていきます。
槍ヶ岳に登って来ましたー!(表銀座縦走&費用編)
15:00ビックリ平に到着。平らな所は少ないので、貴重な場所です。
大天井ヒュッテまで45分という表示に励まされて、また歩き出しました。
…16:30なんと表示の2倍もかかって、やっと山小屋にたどり着きました。
槍ヶ岳に登って来ましたー!(表銀座縦走&費用編)

「食事は17:00だから間に合います。」と言われるので、食欲はないけど食べようと思いました。
出発からの時間は11時間30分。
ゆっくり歩いても10時間と思っていたので、ショックでした。

部屋は女性部屋。
和室に少し狭いお布団が3枚ずつ向かい合わせで6人分のうち、この日は5人でした。
自分の居場所にホッとして、動く気力もなく座り込みました。

槍ヶ岳に登って来ましたー!(表銀座縦走&費用編)
17:00夕食を食べ始めたところで、山小屋によっては小屋のご主人のお話があります。
小屋内の利用についてや消灯時間、朝食やお弁当の説明、展望台での星の観察会と御来光観賞会の話。

聞きながら食べていたら急に具合が悪くなりました。
小屋で働いている方の中に看護師さんがいらっしゃって、面倒をみてくださいました。
食事は美味しそうでしたが、食べられませんでした。
少し時間が経つと、冷えていた手が温かくなってきたので、少しビスケットのようなものを水と一緒に食べるようにと言われました。

なかなか食べられず、酸素吸入をしてもらいに行くと、無理しても食べないと歩けないと言われます。
朝食を食べられるようにならなければ、ヘリを呼んで搬送だと言われました。

え?そんなおおごとですか!
頭が良く働いていなかったのですが、大天井ヒュッテからは縦走しない限り下山はできないので、歩けなければヘリコプターしかないんですね。
酸素吸入のおかげで少し具合が良くなって、少しずつ食べられるようになりました。

食べながら同室の女性たちと話しをしました。
一眼レフカメラを持った女性2人組と、ソロの女性が私を含めて3人。

1人はテン泊で双六岳を縦走したことがあるそうで、今回は小屋泊で大キレットを確認できるところまで行くとのこと。
他の方は、中房温泉からスタートして、槍ヶ岳から上高地への表銀座縦走コースとのことでした。
4人とも表銀座縦走は初めてということで、情報交換会です!
私も、自分のこれから辿る道の話を聞かせてもらいます。
備えれば、安心材料が増えますね!

8月19日04:00起床。ゆるゆると準備をします。
朝食は04:30。今回の遠征で泊まった小屋の中では一番早いです。
05:20ごろの御来光観賞会のためだとか。
体調が万全ではないので、無事に下山することを最優先するため、イベントはすべてパス。
大天井岳と燕岳の登頂も取りやめ。
とにかくゆっくりでも自分の足で歩くことだけを考えました。
槍ヶ岳に登って来ましたー!(表銀座縦走&費用編)
朝日を反射する北穂高小屋(と思う)
ダイヤモンドキタホ?

05:45遅めの出発。
いよいよ最終日です!
大天井岳を巻くことにしたけれど、初っ端から険しい!

槍ヶ岳に登って来ましたー!(表銀座縦走&費用編)
山に張り付くような狭い登山道を登ります。
だんだん小さくなって行く槍ヶ岳が、背中を押してくれるようです。

07:05常念岳への分岐です。
槍ヶ岳に登って来ましたー!(表銀座縦走&費用編)

07:50これまで辿ってきた稜線です。
槍ヶ岳に登って来ましたー!(表銀座縦走&費用編)
なだらかな所は少しはありますが、登って下って少しずつ距離を稼ぎます。
時々すれ違う登山者の方々と励まし合いながら、進みます。

木々が開けているところがあり、市街地が見える所がありました。
だんだん帰っている感じが出てきました。

天気が良かったので、本当に救われました。
上を向いて進めました!
雨だと下を向いてしまいます。
気持ちも下向きになったかもしれません。
10歩歩いては膝に手をついて肩で息をし、20歩歩いては座りこんで景色を見て、もう一度立ち上がる力をもらいました。

槍ヶ岳に登って来ましたー!(表銀座縦走&費用編)
10:10岩が切れています。

槍ヶ岳に登って来ましたー!(表銀座縦走&費用編)
これが蛙岩?

槍ヶ岳に登って来ましたー!(表銀座縦走&費用編)
10:45あれが燕岳かな?
人がたくさん登っているようです。
まだまだ遠いですね〜。

槍ヶ岳に登って来ましたー!(表銀座縦走&費用編)
あ、鳥さん発見!
雷鳥にしては小さい気がするし、模様も違うっぽい。
後で調べたらイワヒバリのようでした。
今回は雷鳥には出逢えませんでした。

11:15燕山荘に到着。
ゆっくり休んで何か食べようと思いますが、普通の量だと残しそうです。
しかしこれといって選べるほどメニューは無く、無難なうどんに。
槍ヶ岳に登って来ましたー!(表銀座縦走&費用編)
うどん、コシがありすぎ!
煮込んだやわやわなのが良かったなー。
…やはり半分が限界!
どうせ残すのなら、カレーを食べたかった!
あっ!ここにはケーキがあったのでした。
忘れてたー。
コーヒー☕️も飲めたんだーガックリ。

ここのトイレはとてもきれい✨です。嬉しい

槍ヶ岳に登って来ましたー!(表銀座縦走&費用編)
12:25まだ先があるので、出発。
ひたすら下ります。
燕山荘までは、登山者は本当に多いです。
小さいお子さんのいる家族連れや大人数の年配のグループなど、観光っぽい方も沢山です。
すれ違いが上手くいかないと待ちっぱなしになってしまいます。

13:15合戦小屋。名物のスイカ!
槍ヶ岳に登って来ましたー!(表銀座縦走&費用編)

13:30急いで食べて出発します。
槍ヶ岳に登って来ましたー!(表銀座縦走&費用編)
中房温泉からの最終バスが15:55発。
間に合うか?

槍ヶ岳に登って来ましたー!(表銀座縦走&費用編)
第三ベンチから第二、第一とカウントダウン!
気が急くので、コケそうになります。
こういう時こそ落ち着け、私!

15:45ギリ間に合いました!
良かった〜。
温泉は入れないことが確定しました。
せっかく大天井ヒュッテで割引券をもらっていたのに、残念!

15:55南安タクシー定期バス中房温泉〜16:50JR穂高駅
17:00JR穂高〜17:29JR松本
17:51JR松本〜20:05JR名古屋
21:00名古屋BC〜08:00天神BT

8月20日午前中に自宅に帰り着きました。
名古屋BCで着替えはしたものの、とりあえずお風呂!
自宅のありがたさを実感しました。

…食事が足りていなかったのに登山して、痩せたかと思いきや、太った!と思ったら浮腫んでいました。膝を曲げると皮膚がはちきれそうで、階段を降りるのも苦労します。
見えなくなったくるぶしが分かるようになるまで3日ほどかかりました。
訓練不足と移動計画が良くなかった事は明らかでした!

以降は費用のまとめです。だいたいです!

天神〜名古屋の高速バス 11,500×2
名古屋〜松本 5,510(名古屋始発なので自由席)
松本〜上高地2,450(電車とバス乗り継ぎ割)
中房温泉〜穂高1,700
穂高〜松本〜名古屋8,580(松本からは始発ではないのでグリーン車 座りたいですもの!)
計41,240

槍ヶ岳に登って来ましたー!(表銀座縦走&費用編)
山小屋すべて一泊二食付き
(詳細は各小屋のHPを確認してください)
横尾山荘 10,000
槍ヶ岳山荘 9,800(労山かjROカードで割引あり)
槍ヶ岳山荘延泊8,800
ヒュッテ大槍 10,000
大天井ヒュッテ 9,800(労山カードで割引あり)
計48,400

クライミング24,000

合計113,640

ほかに山小屋での食事代、
ラーメンやカレーなど軽食が800〜1,000
カップ麺400
コーヒー500
ジュース500
ミネラルウォーター300
トイレチップ、お土産代

自力で計画から立てるのは、本当に大変でした。
しかし、調べてようやくわかることはとても多かったし、苦労した分覚えたことで、変更や失敗にも対応できたと思いました。
次はこれほどキツイ思いをせずに行けるように、自分の力量と目指す所をしっかり計ってプランを立てたいと思います。

まだ次の目標が見えないのですが、日々目にするものから刺激を受けて、考えていきたいと思います。

最後に、諦めかけたときのいちばん最後の支えが、「無事に帰って家族や会社のみんなやお店に来てくださる皆さんに報告すること」でした。
きっと応援してくださっていると思える方のお顔をたくさん思い浮かべることができて、とてもあたたかく幸せな気持ちになりました。
本当にありがとうございました。

以上、橋本でした。


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